6月19日、第66回全日本学生空手道選手権大会がヴィクトリーナ・ウインク体育館(姫路市立中央体育館)にて開催された。
本大会には同志社より、計10名の学生が出場。学生日本一を決める試合ということもあり、各予選を勝ち抜いた猛者達が、初戦から素晴らしい戦いを繰り広げた。
<男子個人形>
※笹岡、東畑が出場
◆第1ラウンド
グループ1の笹岡はクルルンファを演武。22.3と高得点を叩き出しが、3位通過となった。
グループ4の東畑もクルルンファを演武し、22.0で笹岡同様に3位通過となった。
◆第2ラウンド
1位通過をすれば決勝に進める大一番。
グループ1.2の笹岡は得意形のスーパーリンペイを演武。昨年はこの第2ラウンドで悔しい結果となり、今年はその思いを乗せた素晴らしい演武だったが、得点が伸びず、25.3で今年も悔しい結果となった。
グループ3.4の東畑も得意形のスーパーリンペイを演武。4月に開催された全関西では、辛うじて全日本学生の切符を手に入れた東畑。そこから彼なりに創意工夫を凝らしながら本大会に臨んだが、全国の壁は高く、23.3で第2ラウンド敗退。
笹岡、東畑は来年がラストイヤーとなる。本大会の結果を悔しさのバネにして、更なる飛躍に期待したい。
また、男子形においては上位4位までが全て帝京大学の選手であり、これまで以上に層の厚さを感じる結果となった。
<女子個人形>
※大内、岡田、北口が出場
◆第1ラウンド
グループ1の大内はニーパイポを演武。全審判から高評価を得て、23.3で圧倒的1位通過となった。
グループ3の岡田はクルルンファを演武。思いの外、得点が伸びなく21.8となり、3位で通過となった。
同様にグループ3に入った北口はニーパイポを演武。1回生ながら堂々の演武を披露し、22.3でこのグループ1位で通過を決めた。
◆第2ラウンド
2年連続で第2ラウンドに進んだ大内はグループ1.2に入り、パープーレンを演武。最も得意とするチャタンヤラ・クーサンクーを決勝形に残して勝負に出た大内ではあったが、他を寄せ付けぬ得点を叩き出し、25.5でグループ2位の選手と0.4差をつけ、本大会初めての決勝進出を決めた。
グループ3.4には岡田・北口が入った。岡田は得意形のパープーレンを演武。これまでの練習の成果をしっかりと発揮して、24.8と高得点を出したものの他選手には及ばずグループ3位となり、決勝には進めず、本大会を5位で終えた。
北口は得意形のチャタンヤラ・クーサンクーを演武。第1ラウンドを1位で通過した北口だったが、第2ラウンドは多くの選手が自分の最も得意とする形を演武してくることもあり、思いの外得点が伸びず、第2ラウンド敗退となった。
◆決勝
高校3年生のインターハイぶりに世代別の決勝に進んだ大内。決勝では、最も得意とするチャタンヤラ・クーサンクーを演武。全観衆が見つめる中、センターコートで堂々と素晴らしい形を演武した。結果は28.5の得点を出し、相手選手とは0.7差をつけ、悲願の全国制覇を成し遂げた。
大内はまだ3回生。来年もある。ただ、同志社では連覇をした選手がこれまでにいない。しかし、大内ならやってくれる。そう思える圧巻の演武だった。
<男子個人組手>
※戸田が出場
1回戦の相手は名城大学。
序盤から試合は動かない展開ではあったが、終始戸田のペースで試合を進めることが出来た。惜しい技もあったが最後まで得点にはならず判定に。結果は5-0での判定勝ちとなり、2回戦に駒を進める。
迎えた2回戦。相手は帝京大学。
試合早々相手が攻めてきたところにカウンターを合わせるも得点にならず。反対に戸田が蹴りに行ったところにカウンターを合わされ、先取される。
試合中盤にも攻めたところにカウンターを合わされ、失点。
しかし、ここから戸田の猛攻が始まる。
残り30秒のところで相手をコート隅まで追い詰め、上段突きを決める。また、残り18秒のところで中段突きを決め、2-2の同点に。勢いのまま最後に攻めるもカウンターをもらい、結果2-3で敗退となった。
<女子個人組手>
※山本、岡田、釜、武田が出場。
◆山本
最初で最後の全日本学生となる山本。
1つでも勝ち上がりたいところだった。
1回戦の相手は九州産業大学。
開始早々に失点を重ね、2-0の劣勢に。しかし、中段蹴りを決め、すぐに追いつく。そこからも終始攻め続けるが、カウンターを合わされ、2-8で敗退。
◆岡田
昨年1回生ながらも入賞まであと1歩だった岡田。今大会はなんとしてでも入賞したいところだった。
1回戦の相手は大東文化大学。
駆け引きの中でお互いに多くの技を出さない試合展開となった。おそらくだが、岡田の組手を分析されており、なかなか上手いように試合を運ぶことが出来ない。お互いに惜しい技もあったが、両者得点を許さず判定に。結果1-4で敗退となった。
◆釜
前週にエジプトにて開催されていた国際大会で準優勝した釜。1回生ながら堂々の戦いぶりを発揮した。
1回戦の相手は日本大学。
終始プレッシャーを与え続け、相手が我慢しきれなくなったところをカウンターで合わせ、得点を重ねた。3-0で2回戦に駒を進めた。
2回戦の相手は九州産業大学。
1回戦同様に開始序盤からプレッシャーを与え続け、試合開始から30秒のところで上段突きを決める。その後も中段突き、上段突きを決め、3-0で3回戦に駒を進めた。
3回戦の相手は帝京大学。
対戦相手は1回生の時から本大会を制して、昨年も連覇を成し遂げている絶対王者だ。
お互いに惜しい技もあったが決め手をかき、両者無得点のまま判定に。結果は0-5で審判全員が帝京大学の選手を支持し、3回戦敗退となった。
◆武田
4月の全関西大会で入賞し本大会の出場権を得た武田。全国に名前を轟かせたいところだ。
1回戦の相手は日本大学。
試合序盤から武田のペースで試合が進み、攻めて上段突きを決める。その後も攻めることが多かったが得点にはならず、結果1-0で2回戦に駒を進めた。
2回戦の相手は中部学院大学。
試合が始まり1分30秒ほどはお互いにペースを譲らない展開に。しかし、残り20秒のところで上段蹴りを取られ、先取を許す。そこから、攻め技を増やすも反対にカウンターを取られ、結果0-4で敗退となった。
<結果纏め>
●男子形
笹岡(3年)第2ラウンド敗退
東畑(3年)第2ラウンド敗退
●女子形
大内(3年)優勝(初優勝)
岡田(3年)第2ラウンド敗退(5位入賞)
北口(1年)第2ラウンド敗退
●男子組手
戸田(4年)2回戦敗退
●女子組手
山本(4年)1回戦敗退
岡田(2年)1回戦敗退
釜 (1年)3回戦敗退
武田(1年)2回戦敗退
<終わりに>
本大会にて上期の試合を終えた。
4月の全関西大会、5月の西日本大会を経て、本大会を迎えた選手達。
形種目ではOGの清水那月以来の全国制覇。また、組手では、接戦をものにすることが出来なかったが、後期の団体戦に期待出来る内容であったと思う。
本大会に出場した選手が出場出来なかった選手に対して、しっかりと得たものを還元し、更にパワーアップした戦いに期待したい。
次の試合は9月初旬の関西オープン。
この試合は全選手が出場出来る大会になっているため、上期に躍動出来なかった選手含め、一丸となって勝利を掴み取ってほしい。
引き続き応援いただけると嬉しいです。
後期も宜しくお願いいたします。
(提供先:空手道マガジン月刊JKFan)