4月29日、第55回関西学生空手道個人選手権大会が兵庫県立総合体育館にて開催された。本大会は、6月19日に開催される第66回全日本学生空手道選手権大会の予選も兼ねており、各種目で激戦となった。
同志社からは総勢24名が出場。
<男子個人形>※3名が出場
◆第1ラウンド
グループAの笹岡はクルルンファを演武。19.8と高得点を叩き出し、1位通過となった。
グループBの赤坂もクルルンファを演武し、こちらは2位でラウンド1を通過。
グループCの東畑も同様にクルルンファを演武。2位と0.1差ではあったが、1位通過となった。
◆第2ラウンド
グループAには笹岡・赤坂の2名が入った。笹岡はスーパーリンペイを演武。2位に0.4差をつけ、2年連続の決勝進出を決める。赤坂はアーナンを演武。持ち味のスピード・キレを活かした形ではあったが、3位まで0.1足りず、グループ4位となり、ラウンド2敗退となった。
グループBの東畑はスーパーリンペイを演武。最近伸び盛りの彼だが、もうひとつ点数が伸びず、こちらも赤坂同様に3位まで0.1足りず、グループ4位となり、ラウンド2敗退となった。
◆決勝
前年度覇者の笹岡。決勝の形はアーナン。スピード・キレ・緩急・極めを活かした素晴らしい形を魅せ、2連覇達成。
<女子個人形>※3名が出場
◆第1ラウンド
グループAの大内はニーパイポを演武。全審判から高評価を得て、圧倒的1位でラウンド1通過。
グループCの北口はニーパイポを演武。1年生ながら緊張もあったが、2位と0.3差をつけ、大内同様にラウンド1を1位通過となった。
グループDの岡田はクルルンファを演武。持ち前のパワフルさを活かした堂々たる演武ではあったが、0.1足りず、ラウンド1は2位通過となった。
◆第2ラウンド
グループAの大内はパープーレンを演武。昨年から着実にレベルを上げてきた形であり、22.3の高得点を叩き出し、1位通過となり、2年連続での決勝進出となった。
グループBには岡田・北口が入った。演武順が1番だった北口はチャタンヤラ・クーシャンクーを演武。ラウンド1の緊張もややほぐれ、スピード感ある形ではあったが、グループ3位通過となり、3位決定戦に回った。反対に演武順が最終だった岡田はパープーレンを演武。完成度の高い形を演武し、ラウンド1で1位通過を譲った選手に0.1勝り、22.4で大内同様にグループ1位通過となり、決勝に進出。
※北口は3位決定戦で京産大の選手に敗れ、5位で本大会を終えた。
◆決勝
同門対決となった決勝。2019年に沖縄で開催された高校総体以来の直接対決となる大内vs岡田。
先攻は大内。チャタンヤラ・クーシャンクーを演武。後攻の岡田はスーパーリンペイを演武。どちらも素晴らしい演武ではあったが、軍配は3年前の夏と同じく、大内に上がった。
大内は2連覇。岡田は初出場ながら準優勝となった。
<男子個人組手>※8名が出場
全体的には悔しい結果になったが、その中でも素晴らしい戦いぶりをした選手が2名。
1人目は、前年の飯嶋主将から熱いバトンを受け取った、燃える闘魂こと戸田主将。ガッツ溢れる試合が彼の強みである。2回戦(1回戦はシード)を危なげなく勝ち、迎えた3回戦。相手は近大の選手。序盤こそ、素晴らしい試合展開ではあったが、徐々に相手のペースに。先取を取られ、一気に流れを持っていかれ、結果0-3で敗退。次の西日本大会に期待したい。
そして、2人目。長年悔しい思いをしてきた3回生の井戸。1回戦はシードで2回戦より出場。拮抗した試合展開だったが、3-2で勝ち切り、3回戦進出。次の3回戦では大商大学の選手と対戦。戸田主将同様に、序盤こそ、素晴らしい試合展開ではあったが、徐々に相手のペースに。最後まで食らいつくも結果1-4で敗退。ただ、2回戦では接戦をものにした彼は、現在の同志社に必要なものを見せてくれた。
<女子個人組手>※10名が出場。
決勝に進めた選手はいなかったが、その中でも素晴らしい戦いぶりをした選手が3名。
まず1人目。女子主将の山本。
1回戦から近大の選手との対戦。開始早々に中段蹴りを繰り出し、入ったように見えてが旗は上がらず。しかしながら、土山監督秘伝の中段突きが決まり、先取。最後まで先取を守り抜き、2回戦に駒を進める。
次の2回戦でも開始早々に中段蹴りを繰り出し、今回はポイントに。1回戦から修正するあたりがさすがだ。試合の中盤でも再度中段蹴りが決まり、4-0で3回戦進出を決める。
3回戦は天理大の先取と対戦。序盤はお互いに手探りな状況ではあったが、均衡を破ったのは山本だ。転身しながらの上段蹴りが相手選手の顔に。クリティカルヒットしてしまったこともあり、反則になってしまったが、それ以降、試合の主導権は山本に。0-0で時間がなくなり判定となったが、5-0で山本を支持。無事に準決勝に駒を進める。
迎えた準決勝は京産大の選手との対戦となり、先取を取られた山本ではあったが、残り1分15秒のところで1点を返すも、結果1-5で敗れ、3位となった。
2人目は2回生の岡田。
昨年の団体戦で大活躍した彼女。
1回戦はシードで2回戦からの出場で、左上段突きを決め、1-0の無失点で勝利を収め、3回戦へ。
3回戦は天理大の選手と対戦。序盤はお互いに見合う状況ではあったが、岡田が均衡を破り、先取。しかし、すぐ取り返される。残り30秒のところで再度岡田が得点し、結果2-1で準決勝に進出。
迎えた準決勝は近大の選手。3回戦と違い、先取を許してしまう。その後、岡田の中段突きが入ったように見えたが、旗は上がらず。残り1分のところで1点返すも終盤に得点を重ねられ、結果1-7で敗れ、3位となった。
3人目はこちらも2回生の原。
彼女は中学校以来、約4年ぶりにコートに戻ってきた選手だ。また、昨年卒業した姉の背中を追いかけ、同志社の門を叩いた勇気溢れる選手でもある。
結果的には1回戦で近大の選手に敗れるが、約4年ぶりとは思えないような果敢な攻めを見せ、入部以降、積み上げてきたものが垣間見える戦いであった。最後の1秒まで攻める姿は、間違いなくこれからに活きてくる。
<結果纏め>
●男子形
笹岡(3年)優勝(2連覇)
東畑(3年)7位
赤坂(2年)7位
●女子形
大内(3年)優勝(2連覇)
岡田(3年)準優勝
北口(1年)5位
●男子組手
−60kg
木村(1年)2回戦敗退
功刀(2年)2回戦敗退
井戸(3年)3回戦敗退
和田(4年)2回戦敗退
−67kg
為本(2年)1回戦敗退
−75kg
中川(4年)2回戦敗退
−84kg
前本(2年)2回戦敗退
戸田(4年)3回戦敗退(ベスト8)
●女子組手
−50kg
原(2年)2回戦敗退
三俣(2年)2回戦敗退
−55kg
岡田(2年)3位
−61kg
戸田(1年)1回戦敗退
湯山(3年)1回戦敗退
松下(3年)2回戦敗退
井上(4年)1回戦敗退
山本(4年)3位
−68kg
釜(1年)2回戦敗退
武田(1年)3位
<終わりに>
戸田主将体制となり初めての試合。
試合で通用したもの、通用しなかったものが明確に分かった試合になった。
組手メンバーは、次の大会が5月29日に開催される第59回西日本大学空手道選手権大会。ここでチーム力を発揮し、少しでも勝ち上がることに期待したい。
形メンバーは、6月に開催される全日本個人出場を決めた選手が複数いることもあり、卒業生の西山走(男子)、清水那月(女子)以来となる優勝を目指してほしい。
また、今年も素晴らしいポテンシャルを秘めた1回生が9名入部してくれた。1回生から4回生まで全員で11月のインカレまで走り抜けることに期待したい。
引き続き応援いただけると嬉しいです。
今年度も宜しくお願いします。
記事作成:宮原泰成